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- イエ型の2世帯住宅
所在地 :東京都府中市
敷地面積:101.92㎡(30.83坪)
床面積 :86.77㎡(26.24坪)
建物規模:木造2階建て・専用住宅
建ペイ率:44.50%
容積率 :85.10%
価格帯 :3000万円台
築30年の住宅を建て替え、二世帯住宅にした住宅です。
小さな敷地の中に二世帯が付かず離れずに暮らせるように、二つの住空間を立体的に組み合わせました。隣家が迫った敷地条件ですが、建物の隅々から光が入り、とても明るい内部空間としまし、また道路側面はプライバシーを最大限確保すること、耐震性の向上のため、大きな面を基本とした個性的なデザインとしています。
三角屋根の「オウチ」型の住宅はとてもシンプルで美しく、また可愛らしい外観になりました。
私が以前設計した狭小・二世帯住宅が雑誌に掲載されました。それをご覧になって、ご依頼をいただきました。
- 築30年以上の既存木造を取り壊しての建て替え計画でした。
しかも建坪率をオーバーした「既存不適合の建物」。建て替えると今よりも小さな建物になってしまいます。その中で、最大限自然光を取り入れて、二世帯が付かず、離れずに生活できる住宅を求めていました。
(1)
建築面積が限られていたため、縦方向に空間を使い切りました。スキップフロアとし、上階と下階を視覚的に結びつけ、広さを演出しています。また、ロフト空間も積極的に利用しています。
(2)
道路側は思い切って壁の量を多くして、玄関とその上の明かり取りだけとしました。ガラスが減り、コストも減る方向で上手くデザインできました。
(3)
1階リビングの天井高さを高くし、大きく背の高い窓を採用しました。また、東南方向にスリット窓を作り、隣家をかすって朝日が入るように設計しました。
親世帯LDKです。
高い天井高さは3m以上あり、2階のLDKと一部がガラスで仕切られてつながっています。
ここからお互いの家族の生活の気配が伝わります。床はフローリングと畳の組み合わせ、掘りごたつを設けました。
地域によって建築の価格は違いますので、まずその地域での平均的坪単価を把握して設計しました。
またシンプルな平面計画や内装デザインになるように心がけることで、余計な費用が発生しないようにしています。さらに、窓などの開口部や屋根材、外壁、内壁仕上げ材料などを一般的に流通している物にしてコストの上昇を抑えました。
実績のある工務店を複数社から選んで、合い見積をとりました。
選定理由は、金額が合理的で安かったことはもちろん、工務店の所在地が現場に近かった事、以前その工務店が作った建物を見学した事があること、それから、監督さんの人数や体制です。
監督さんもいい人でしたが、大工さんがとてもおもしろがって仕事をしてくれました。いつも普通の家ばかり工事していて、飽きてしまうそうです。今回の「狭小二世帯住宅」にはそうとう腕をふるっていただき、完成後は大工さんからこの家の上棟時の写真入りの年賀状をいただきました。
建築家の声
単純な外観の中に2つの家族を包むこの住宅ですが、これから若夫婦にはお子さんが生まれることを想定しています。お子さんにもすぐに覚えてもらうことを願い、雑誌発表の名前を「OUCHI・オウチ」と名づけました。
なぜ建築家に家づくりを頼まれたのですか?
たった32坪に2世帯住宅が建つのだろうか。狭小にならざるを得ないその空間に2つの世帯が争うことなく快適に生活することができるだろうか。 私たちの家づくりはそういった漠然とした不安から始まった。
たくさんのモデルルームを見てイメージをふくらませたものの、どのハウスメーカーも2世帯住宅への想定は私たちが用意できる敷地に対しては大きすぎる。やっと出てきた大手ハウスメーカーからのプランは小さいキッチンを2つ備えただけのものだった。
「狭いから仕方ないね」「素敵なモデルルームはどれも広いからね」半ば諦めかけていた私たちはたまたま雑誌で狭小の2世帯住宅という特集を発見した。 これが石川さんの家との出会いだった。
石川さんが提案してくれた家はそれまでのハウスメーカーのプランとは全く違ったものだった。高い天井、スペースにリズムを創り出す意図的な段差。家の中央に設けられたにじり窓。
「真四角に均等に部屋を配置することが一番合理的に土地を使えるのですよ」そういったハウスメーカーとは全く正反対のアプローチだった。私たちはほとんど契約寸前だったハウスメーカーを切り捨てて、石川さんのプランに賭けてみることにした。
とはいうものの不安はあった。たとえば、南側のみに極端に集中した窓。本当に明るくなるのだろうか。
その狭さから、結局、玄関・洗面所・風呂は共有にせざるを得なかった。2つの世帯の導線はぶつかることなく居られるのだろうか。ほとんど隣り合わせの日常に年老いた両親世帯と夜遅い若い世帯の2つの生活が両立できるのだろうか。
最初の構想から数えると2年を要した家づくりは建ち始めると早かった。
出来上がった白い『OUCHI』は期待以上のものだった。
時間の経過とともに表情を変える陽の光は十分すぎるほど明るいものだったし、各所に設けられた段差が一つ一つの部屋に違った性格、違った気分を与えた。
大変天井の高い両親世帯のリビングはモダンな中に“和”を感じさせるものだったし、負けじとこれも天井の高い私たちのリビングは斜めにのびた壁が宇宙船の中のような非日常を醸し出す異空間だった。
寝室はたった6段の段差の先にもかかわらず、まぎれもなく寝室であったし、その上空に浮かぶロフトはさらに違った雰囲気の書斎になった。 そして何より、2つの別々の生活をひとつの家族として成立させている。
見ようとしなければ見えないが、「何をしているのかな」と感じたときに覗けば、そこに大切な家族がいる。そんな空間を創りだしてくれた石川さんに心から感謝したいと思う。
「同居する」と言って、10人の友達・上司に相談し、全員に反対されたこの生活は、こうして今のところ大変順調なのである。
石川淳建築設計事務所 一級建築士事務所
住所:東京都中野区江原町2-31-13第1喜光マンション106
電話番号:03-3950-0351
HP:http://www.jun-ar.infoプロフィールページへ







































