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- 北庭を愛でる2世帯の家
所在地 :神奈川県小田原市
敷地面積:142.45㎡
床面積 :116.96㎡
建物規模:木造在来工法2階建て
用途地域:第一種低層住居専用地域
価格帯 :3,000万円台
敷地が「台形」だったため、適切な有効活用案が懸念される土地形状で、地域柄、地震への対策・断熱への取り組みも外せないものでした。
『どの位置に「駐車場」を設け、どの場所に「庭」を設ければ、一番良い場所となるのか?』を確定させる事が大きなポイントとなり、南側には水路がありスペースに余裕があるため、庭を通した採光の確保には有効でしたが、反面で、隣接家屋からの視線の干渉に注意する必要がありました。
インターネットでご覧下さり、メールでご連絡を頂いたのが始まりでした。
“賃貸暮らし”だった息子さん夫婦が、ご両親の住むご実家に戻って二世帯住宅に建て替えたいとの事でした。
- ・築40年近い実家を建て直ししたい。
- ・3世代の家族が仲良く暮らせる、生活を共有出来る二世帯住宅を建てたい。
- ・中庭を設けて「もみじ」を植えたい。また『一年に一度、最良に色づく「もみじ」を、家族それぞれがお気に入りの場 所から眺められる家としたい』
- ・2000冊程度の本があるので、収納を考慮して欲しい。
中庭を南側ではなく北側に配置することにより、南側に位置する駐車場や隣接家屋からの視線の干渉を避けることを重視しました。北庭を縦格子で囲み、その格子にも角度を設け、視線の干渉を避けながら閉塞感を感じない、閉じているのに開いた空間を家のシンボル的な憩いの場所として計画しました。
南側は「洗濯物を干すなど、生活スペース」、北側は「憩い、愛でる、鑑賞するスペース」とコンセプトを明確に分けた配置となっております。
また収納場所を確保するために、変形した建物の端部を小さな収納スペースとして設えました。
その結果、室内は整形な部分を確保することが出来、什器備品を配することにストレスがなくなりました。
これらの小さな工夫の積み重ねと、変形した間取りを楽しみながら暮らす建築主のパワーで、まさに施主だけの唯一無二の家になっていると思います。
「3世代が仲良く暮らせる」というコンセプトを汲み、1階が親世帯のスペース、2階が子世帯のスペースとして分かれてはいますが、1階のお風呂・ダイニングは3世代で共有し、コミュニケーションの取り易い空間構成となっています。
正面外観
北側道路に面する建物正面。北庭を通して視線が干渉しないようにと設置した縦格子は、角度を付けることで閉塞感を感じることなく、外部からの視線だけを遮る役割を果たしており、外界とは実際以上の距離感を演出しております。
茶の間
畳敷きの小上がりで食事をし、談笑し、北庭の季節の移ろいを楽しむ場所。
御尊父(ごそんぷ)様の「座椅子に座ってテレビを見たい」という何気ないご要望を元にご提案させて頂いたもので、小上がりにする事で、〝特別なスペース〟として印象づけるだけでなく、キッチンに立つお母様・お嫁さんと目線を合わせる意味も持つ。
壁付けのレンジフードですっきりしたデザインとなっているのもポイント。
北側外観
角度の付いた縦格子は、この角度からだと視線を遮ってくれる。
黒い外壁は、ご要望から生まれたものではなく、もみじとのコントラストが一番活かせる色は?とお施主さんと話し合った結果、たどりついたもの。
使用する仕上げ材料は、肌に触れる部材を大切と考えました。ですから天井材だけは、少し節約しました。
それから太陽光発電を採用しようと考えていたのですが、予算オーバーで中止しました。
後からでも出来る工事は極力後回しにして、イニシャルコストの調整にあたりました。ですが当初から遣りたいと考えていたほとんどのことは、実現できたと思います。
建設地に近く、施工実績のある建設会社数社を候補に上げ、建築主と御相談いたしました。
施工実績や当事務所と一緒に仕事をした事のある経験値などを考慮して、その中の一社にお見積もりを依頼いたしました。
通常ならば数社からお見積もりをいただき検討するのですが、この時に限っては時間的な猶予の無さもあったために、一社に絞って作業を進めて行った、ある意味ではレアなケースだったかもしれません。
直ぐ近所に仮住まいをされていた御尊父(ごそんぷ)様が、現場監督さんのように毎日現場を見て回る姿は、とても記憶に残っています。
工事の様子が見ていて楽しいと言うことは勿論あったと思いますが、それ以上に家に対する想い、そして今までは別々に暮らしていた親子が同居することへの期待や不安。楽しみでもあり心配でもある、これからの生活の場となる家。日々進んでいく工事は、そんな日々への足音のよう。
大工さんが言ってました。「ふと誰かの視線を感じると、必ず旦那さんが、こっちみて笑ってるんだ」ってね。家を造るって、良い仕事ですよね。
建築家の声
この建物は私にとって、とても思い出深い建物です。
建築主は私が意図することを、とてもよく理解して下さり、かつ面白がってくれました。また住み手として大切にされる場所や時間を、とても明確に思い描かれており、その想いを上手に伝えて下さいました。
まさに施主と設計者が同じ想いで、これから造ろうとする建物に向かい合うことが出来た家だと思います。
「想いを共有する」と一口に言いますが、それを寸分の狂いもなく実践するのは、なかなか難しいこと。
でも出来たときは最高に楽しい仕事になります。まさにそんな一軒だったと思います。
家を建てようと思った時、一番重要なのは設計だと思いました。
そう考えた時、自分の家を設計する人間がハウスメーカーや工務店だと、その人と成りが見えないという不安がありました。
もちろん設計事務所でも、大きな所は要件を聞く人と設計する人が違う場合もあると思います。
そう考えて地元で個人事務所の建築家を探しました。ホームページを持つ事務所を数件選び1年近くサイトに通い、その中から選んだのが天工舎さんです。コラムや日記などの更新も頻繁で生きているサイトでした。もちろんその内容もその人と成りを測るのに充分でした。
実際の設計についても、イメージと要件をうまく拾って下さり、あまり私の方から修正をお願いすることも無かったような気がします。
家を建てるのは一生に一度と考えた時、その設計者と人と人の付き合いが出来るかどうか、それはとても重要なことだと思います。
天工舎一級建築士事務所
住所:神奈川県小田原市 荻窪314正和ビルみなみ302
電話番号: 0465-35-1464
HP: http://www.k-tantei.com/プロフィールページへ

































